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西原間切棚原村から伊田親雲上宛の板証書
種類 | 西原町指定有形文化財(古文書) |
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指定日 | 1987(昭和62)年8月7日 |
所在 | 西原町字棚原 |
この板証書は、1869(明治2)年に作成されたもので、作成者は不明である。縦135センチ、横40センチ、厚さ1.2センチの板に端正な楷書を用いて、候文で470字の文字が刻印されている。
証書の内容は、「道光年間(1821~1850年)に西原間切棚原村は自然災害によって疲弊し、140万貫にもおよぶ多額の負債をかかえた。それを聞きつけた伊田親雲上は、百姓たちが立直れるようにいろいろと援助し、そのおかげで農作業もうまくいき、年貢や諸上納も完納することができた。その御恩を、子々孫々にいたるまで忘れないためにこの感謝状(板証書)を贈呈した。」というものである。
西原町に関する古い記録が少ないなかで、板に刻印された珍しい証書であると同時に、当時の棚原村の社会状況を知る上で極めて貴重な資料である。