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令和7年度 内間御殿整備の進捗について

ページID:0012677 更新日:2026年3月5日更新 印刷ページ表示

西原町では、平成23年に国指定史跡になった「内間御殿」の整備事業を平成25年度からおこなっています。
今年度は内間御殿の中心的施設である東江御殿の石垣の保存修理工事をおこなっている真っ只中です。

東江御殿の石垣解体工事をしています

今年度の整備事業では、東江御殿の石垣の解体工事と発掘調査をしています。「石垣の整備なのに、解体?」、「なんで解体の必要があるの?」と疑問に思われる方も多いと思います。

実は、東江御殿(あがりーうどぅん)の石垣は、経年変化や自然災害、沖縄戦の影響などさまざまなダメージが積み重なって、外側に傾いています。今までは傾いた石垣が崩れないように、トンブロックを設置して抑えていました。

※内間御殿の正面や西側道路など石垣に沿って置かれている大きなコンクリートブロックは、石垣が崩れないように抑える大事な役目を担っています。なので、ブロックと石垣には登れそうですが、登らないでください。

 

解体する理由

解体工事をしている理由についてですが、石垣が経年等により傾いていることに加え、沖縄戦のダメージで石がかなり脆くなっています。そこで石垣を根石まで解体し、石の状態を確認した上で、尚敬王が内間御殿に石垣を配置した当時の形に積み直す計画です。

今年度は石垣の北東部一帯の解体工事をおこない、次年度に今回解体した範囲の積み直し工事をおこないます。

石垣に見られる工夫

石垣の整備では、普段見ることができない石垣の内側の構造を観察することができます。今年度の整備では、3つの工夫を確認しました。

1つ目は、カーブ部分の強度に関する工夫です。自然災害に限らず、カーブの部分は壁と壁が交わるので、構造上どうしても弱くなります。石垣の整備をしていると、カーブ部分の強度を補うさまざまな工夫を見ることができます。下の写真で紹介しているやたらと長い石もその工夫の一つです。長さが異なる石を交互に組み合わせることで石垣の強度は強くなります。ラグビーのスクラムのように、単体の石よりもいろんなサイズの石が組み合わせることで強度を高めています。

内間御殿の石牆北東_控え① 内間御殿の石牆北東_控え②

2つ目は、裏込め石の配置です。
石垣の内側には裏込め石(うらごめいし)と呼ばれる砂利石が詰まっています。上から順に石垣を解体していくと、平面では変化があまり見られないのですが、石垣の断面を観察すると、下へ行くほど裏込め石のサイズが徐々に大きくなっている様子を見ることができます。裏込め石は石垣の上の方では直径5cmほどですが、根石付近では直径30cmくらいの大きさの裏込め石が入っています。

内間御殿の石牆断面

3つ目は、上の写真のように、接着剤となるセメントなどが一切使われていないことです。石材の加工方法や積み方の工夫次第で、石垣は何世代も壊れずに形を保つことができます。東江御殿の石垣は、尚敬王の時代に初めて整備され、その当時の石垣が現代まで壊れることがなく受け継がれています。
しかし、解体調査をすると、石垣の内部に沖縄戦で受けた砲弾の破片や弾痕など、石垣が受けたダメージが確認できます。表面はきれいでも、内部を見てみないとわからないことも多いのです。下の写真は石垣を解体したことで積石に一連のヒビが確認されたものです。右下の写真はヒビの位置を示しています。

石牆断面拡大 石牆断面ヒビ図示

石垣整備では、表面に見える部分だけでなく、普段見えない石垣の内部まで観察することができます。
内間御殿の石垣は、尚敬王代に整備した1736年頃から約290年の年月を経て、現代まで引き継がれてきました。私たちは、さらに未来の世代に地域の歴史と文化財を受け継いでいくために、内間御殿の整備を進めています。


内間御殿整備事業