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棚原の石畳道

棚原の石畳道
種類 西原町指定史跡
指定日 2019(平成31)年3月28日
所在 西原町字棚原

粘土質のジャーガル土壌が広がる西原町において、琉球石灰岩が分布する数少ない地域である棚原集落に残る石畳道は、他集落にはみられない文化財といえる。棚原集落は、戦前まで生活道として石畳の道が縦横に走っていたというが、現在確認できるものは少ない。

石畳道は、棚原集落を南北に走る道の一部で、棚原公民館と中ヌ御嶽の南側に東西に延びる「ナカミチ(中道)」と交差しながら、鍵の手に曲がる道である。人頭大の自然の石灰岩をまばらに敷き、その間に拳大の石を密に敷き詰めたつくりで、自然の石をわずかに加工したものである。石畳道の北側は戦災などによる滅失もみられるが、南端部の西側約13メートル部分は良好に残る。

旧暦6月25日の「ウファチ(お初)」におこなわれる綱引きでは、「ナカミチ」を境に上下に組分けされていたという。現在、ウファチの綱引きは県道29号線より南側に位置する馬場跡でおこなわれているが、戦前は石畳道の西側三叉路が綱引きの「カニチグチ」にあたり、そこで綱引きがおこなわれていたと伝わる。
このほか、集落最大の行事「まーるあしび」には、ミルク神を先頭とする「ミチジュネー(練り行列)」が拝所間を移動する際、石畳道が「カミミチ(神道)」として使用されてきた。

このように、棚原石畳道は西原町内において現存する数少ないものであり、棚原集落の歴史を知るうえでも、その中心に位置する象徴的な場所であるといえる。

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